無料アクセス解析
『夕凪の街 桜の国』/こうの史代,双葉文庫 まんぼう亭新漫画乱読日記

まんぼう亭新漫画乱読日記

漫画文庫の話よりWebラジオやうどんの話が多い今日この頃です

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

『夕凪の街 桜の国』/こうの史代,双葉文庫

疲れているときに、この作品を読むことは癒しになるのか、はたまた
倍疲れる、というべきなのか。


ところは広島。
先の大戦が終わり、街が本来の姿をとりもどしつつある頃。
一人の女性が、あの原爆をくぐりぬけ、母親と暮らしておりました。

既に会社で働く年になってた彼女。
気になる男性もあらわれて、ちょっぴりドキドキな今日この頃。


でも。

彼女の心には深い深い部分に、大きい疵があるのです。


原爆で生き残った、という負い目。
廻りはみんな死んでしまったのに、という負い目。

自分はあの時、みんなと一緒に死ぬべきだったのだ。
自分は生きていてはいけないんじゃ無かろうか、という迷い。


あの日、川に向かって水を求めて、そして死んでいった人。
全身が腫れて、爛れて、形をなしていないものたちを踏み越えて逃げ回って
いた自分。


彼女にはそんな、ココロノキズがありました。
それゆえに、気になる彼とも、一緒になることを決心出来ずにいたのです。


でも。
そんな迷いを吹き飛ばしてくれた彼。
ついに彼女も、彼と一緒になることを決心したのでした。


しかし。


幸せを手にしたとたんに、彼女にも原爆の闇が訪れます。
それは突然に、そしてあまりにもあっけなく。

母親一人を残し・・・



映画化もされた本作。
ぴっぴら帳(ノート)と同時購入して、いやでもこれ読むと正直どーなるか
わかったもんじゃないなと少しだけ寝かせておいたわけですが。

いやぁ、なんていうか。
ダメージでかすぎです。

はだしのゲンよりも、僕はこっちのほうが心に来ました。きっついのなんの。


こうの史代の「のほほん」とした画風とは正反対の、重くて暗い原爆の闇。
原爆投下から10年経った、それでもいまだに幸せになれないで逝ってしまう
逝ってしまわなければならないという、その悲しみ。

歩けなくなり動けなくなり、やがて目も見えなくなり、感覚だけが文字として
描かれている。
やがて思考もひらがなになり、そして、彼から貰ったハンカチを握りしめた
コマで閉じる。


もう、これを泣かずに読めるのかと思う作品でした。

しかも、何気なく始まる「桜の国」ですが、実は夕凪の街の続きであり、
こちらもまた後々ズシリと来る作品。


どうしてこれだけの短篇で、これほどココロに響くのかというくらいの
本でした。
思い出すだけでも、泣けてくる、そんな作品です。


スポンサーサイト

| 漫画文庫感想文 | 18:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://inouemanbou.blog121.fc2.com/tb.php/2590-41667498

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。