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アーカイブ :2006年01月11日 まんぼう亭新漫画乱読日記
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まんぼう亭新漫画乱読日記

漫画文庫の話よりWebラジオやうどんの話が多い今日この頃です

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『風の輪舞(ロンド)』/津雲むつみ,集英社特別企画文庫コミック版

たしか6日から、だったかな。
お昼の奥さま劇場で始まったドラマ、その原作がコレです。


槙と麻美、二人の女性に愛された浩二という男がいました。
子どもの頃、結婚の約束を槙とした浩二。ところが戦争が運命の歯車を狂わせてしまった。

麻美の夫である一郎が戦地で散り、野代財閥を継ぐものが居なくなったと思われた時に
戦地から帰還した浩二。
一時は義姉となった麻美は、浩二の父の進めるがままに結婚。

しかし、槙のことをどんなに振り払っても忘れられずにいた。

同じく槙も、浩二のことを忘れられずにいたが、名家ではあったものの父は死に兄も
命からがら戦地から戻って来て働くこともせず、あまつさえ母は病床に伏せる身。

そこに魔手をさしのべてきたのが、浩二の弟で野代のやっかいもの・大介だった。


子どもの頃から野代の家では「出来の悪い」「不細工な」「出来損ない」のレッテルを
貼られ続け、野代の家を憎み、恨み続けていた。
そしていつの日か、父に自分を認めさせようという反抗心の固まりでもあった。

そんな彼はある日、兄の浩二の婚約者である槙に一目惚れ。
浩二が麻美の夫となった時から、槙を自分のモノにせんがため、徐々に槙の「外堀」を
埋めていった。

そうして。
槙は、浩二を想い続けながらも、大介にその身を捧げてしまう。


常に槙の存在を疎みつつも浩二を愛そうとする麻美。
兄の、そして自分の家の存在に憎悪の念を抱きつつ、槙を我が物にせんとする大介。

彼らの愛や憎しみはやがて、壮絶な愛憎として具現化される。

大介は野代財閥を手に入れ、麻美は永遠の愛をその手に掴む。膨大な代償を払って。


物語は、槙と浩二の死、槙の娘・夏生と、浩二と麻美の息子・英明の壮絶な人生を綴った部と、
大介が回想する部に分かれている、と思います。

夏生が主人公であり、麻美がヒールの立場で話は描かれているけど、結局この作品には
ヒール(悪役)は誰一人として存在せず、すべてにそれぞれの「人生の言い分」が存在し
誰一人として無駄がない。


戦争で浩二を奪われ、その愛を生涯忘れられず結果的に浩二と逝くことを選んだ槙。
同じく槙を忘れられず、最後は槙の永遠の愛を得た浩二。

誰からも愛されることはなく、しかし愛と表裏一体の憎しみを持ち続け、生涯誤解され
続けた寂しい男・大介。
愛することに徹し、永遠の愛を息子に注いだ麻美。

夏生との愛を誓ったものの、時代と家に翻弄され、壮絶な生涯を遂げた英明。
そして。関根と子どもたちの愛を受けながらも、英明を忘れられず、母と同じと知りつつも
不倫という底なし沼に溺れていった夏生。


どうだろう。この構成。まさに完全犯罪!密室殺人。迷宮入り。

3巻構成の下巻では、夏生の弟・智の結婚までの道のりや、槙の妹で戦後の混乱期に
米兵とアメリカへ渡った美絵の、これまた壮絶な人生、なども描かれて。
完全犯罪というのは、いっぺんの曇りも残してはならない。すべてを描ききってこそ
完全犯罪なんだと思い知らされます。

まぁ、この下の代のふくみが残されてるけどね。。。


ここまで必死になって漫画読んだの久しぶりでした。うふふ。


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