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アーカイブ :2001年09月22日 まんぼう亭新漫画乱読日記
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まんぼう亭新漫画乱読日記

漫画文庫の話よりWebラジオやうどんの話が多い今日この頃です

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「風と木の詩」/竹宮惠子,白泉社文庫

美少年を抱く少年、突然のベッドシーン。
繰り返されるキス・抱擁・そして満たされぬSEX。

そんなとてつもない衝撃シーンから始まった漫画が、この世で最も悲しく
そして決して満たされることのない恋愛を描いた物語。


人として不十分なまま少年に成長したのがジルベール・コクトー。
その不完全さから生み出される危うさと、生まれ持っての美しさで少年達を
官能へと誘う少年。

子爵にしてジプシー(アラブ系)の娼婦と駆け落ちをし、挙げ句4才で父を、
そして母を病気で無くし、死へのトラウマと孤独、そして本当の愛に飢えた
少年がセルジュ・バトゥール。
二人は全寮制の学園で出会ってしまった。

混血で褐色の肌を持つセルジュ。
学友との性交に明け暮れるジルベール。

ジルベールには、学園に多額の寄付をし、影の権力を振るうオーギュスト・ボゥ
がいた。ジルベールをそう育てたのがそのオーギュスト。


物語前半、というか大半は、オーギュストの歪んだ愛情という糸に操られている
ジルベールが、神をも恐れぬ同性同士の愛情というハサミでその糸を切り、
解き放たれ、そして自由を手に入れるというもの。

または学園という閉鎖された鳥かごから飛び立つ、セルジュとジルベールの反抗のしるし。

なによりも、同性でありながらも男女よりも神聖な儀式であるかのような
その描写が、なにより美しい。なによりエロティック。なによりいとおしい。


後半(約3巻)において、彼らの独立した生活が始まるが、太陽と月は時を同じく
して輝けないのと同じように、太陽のセルジュ・月のジルベールはやがて離れゆく。


満ち足りていた月は、やがて徐々に欠けてゆき、そして逝ってしまった。
意図的に読者(私)が見ようとしなかった『終焉』を迎えた瞬間。

不思議と涙は出てこない。
そのかわり、心の底から“静けさ”がわき上がってくる。
背筋が凍りついていくような、この心の“静けさ”がたまらない。


こいつおかしい、とか思われてもしかたないなあ。
あぁそうかも俺って男色家かも。もうダメかも。ああダメだよ。ダメ人間だよさ。

皆さん、読まない方が身の為です。


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